(2025.5.1)

最初に
私のサイドマウントデビューは苦労のてんこ盛りでした。今から思えば、機材のコンフィグレーションと言われる部分を全く考えずに、単に水中に「シリンダーを2つ持っていってどちらからでも呼吸できるだけ」でした。もちろん、スキルもそのような状態で行ったので何が何だか全く分かりませんでした。
後々しっかりと一から学び直したので、今はしっかりと手順を理解していますが、その当時、インストラクターとの会話での口癖は「目から鱗」だったのを覚えています。
皆さんには、最初から正しいスキルと裏付けのある考え方で学んでいただくことを強くお勧めします。TDIのサイドマウントダイバーコースは、そういう点で自信をもって紹介できるコースです。また、サイドマウントはまだまだ新しい潜り方に属し、今でも日々アップデートされているジャンルでもあります。定期的にアップデートトレーニングをおこなうことができる(つまり、自己のアップデートも行っている)インストラクターさんから学ぶことも強くお勧めいたします。
(もちろん、私は様々なコースを通じてアップデートの機会を得ています。)
それでは、本編に進みます。
本当のサイドマウント
サイドマウントは、単なる器材配置の違いではありません。浮力コントロール、器材管理、緊急対応能力、そして何より「自立したダイバーとしての成長」が求められます。「大変そうだからやめようかな…」と感じる人もいますが、実はサイドマウントの世界には、自由・柔軟性・楽しさが詰まっています!
でももちろん、「楽してサイドマウント」はできません。
きちんとしたトレーニングと練習が不可欠です。
今回はサイドマウントが「本当に大変なのか?」を見ていきましょう!
本当のサイドマウントを紹介します!
- サイドマウントが「なぜ大変と感じられるのか」を理解する
- 実は楽しさや利点がたくさんあることを知る
- TDIのトレーニングでどんなスキルを身につけるのかを把握する
- 「やってみたい!」という前向きな気持ちになれる

アウトライン
- サイドマウントって何?
- 「大変」と言われる理由
- 実はこんなに楽しい!サイドマウントの魅力
- TDI基準で求められる主なスキル
- 乗り越えるためのコツ
- まとめ
1. サイドマウントって何?
サイドマウントとは、シリンダーを背中ではなく体の横(サイド)に装着して潜るスタイルです。
もともとはケーブ(洞窟)ダイビングで狭い場所を通過するために生まれましたが、最近はレック(沈船)やレジャー(スポーツダイビング)にも広く広がっています。
キーワードは、
👉「柔軟性」
👉「冗長性(リスク分散)」
👉「快適性」
です。
ただし、普通のバックマウントと違って、
「セッティング・バランス・スキル」がすべて変わるので、最初は戸惑うかもしれません。

2. 「大変」と言われる理由
サイドマウントが「大変」と思われがちな理由を見てみましょう。
- 器材が違う
→ 通常のBCDではなく、専用のサイドマウントハーネスが必要です。 - シリンダーの取り扱いが難しい
→ 左右それぞれのタンクをバランスよく扱わなければなりません。 - 中性浮力がシビア
→ シリンダーの位置、空気量によって体のバランスが微妙に変わるため、
浮力コントロールが重要です。 - スキルが増える
→ バックアップレギュレーター、ガススイッチ、緊急手順も全部両方に
対して行うため、複雑に感じます。
つまり、最初のうちは
「え、左右のシリンダーどっちのガス使った?どこ触った?え、浮力ズレた!」とパニック芸になりがちです(笑)。
でも、それは誰でも最初は通る道。心配いりません!
3. 実はこんなに楽しい!サイドマウントの魅力
苦労を乗り越えると、サイドマウントにはこんな素晴らしい世界が待っています!

- シリンダーを背負わないから腰がラク!
→ 重いシリンダーを持って立ち上がる必要がないので、
体への負担が少ない! - シリンダーを背負って歩かないので意外と装着がラク!
→ 老若男女にお勧めできます!水面で浮力を使って装着すれば、
シリンダーを背負って移動するよりも楽な場合もたくさんあります! - コンパクトになれる!
→ 洞窟や沈船の狭い場所もスイスイ! - トラブルに強くなる!
→ 左右独立したシステムでリスク管理能力が格段にアップ! - かっこいい!
→ 何よりサイドマウントでバシッと中性浮力を決めると、
めちゃくちゃクールに見えます! - 長時間ダイビングができる!
→ 大きなタンク2本で、通常よりも長いダイビングが可能になります!
つまり、ちょっと大変=スキルアップのチャンスなのです。
4. TDI基準で求められる主なスキル
TDI(Technical Diving International)のサイドマウント講習では、以下のようなスキルが求められます。
- セットアップとバランス調整
- シリンダー取り付け、取り外し(陸上・水中両方)
- 正しいトリムと中性浮力の維持
- ガス管理(左右バランスよく使う)
- ガススイッチング手順
- エマージェンシープロシージャ(エアシェアリング、バディ救助など)
- 限られたスペースでのナビゲーション
- 安全停止や浮上方法
TDIは特に「自立性」と「安全意識」を重視しています。
サイドマウントを通して、一人前のダイバーへと一気に成長できるのです!
5. 乗り越えるためのコツ
- 焦らない!
→ 最初は誰でもシリンダーがブラブラします。気にしない! - 軽いギアから始めよう!
→ 小さめのアルミシリンダーで練習するとバランスが取りやすいです。 - 器材を信頼する!
→ 正しいセッティングができていれば、水中で「何かあったらどうしよう」
という不安が減ります。 - 教わったことを素直にやる!
→ 「自己流」はトラブルの元。TDIインストラクターの指導に忠実に! - 楽しむ!
→ うまくできないときほど、「お、今日の失敗も1レベルアップ!」
と思いましょう!
まとめ
サイドマウントは確かに最初は大変です。
でも、それは新しいスキルを手に入れるための大切なステップ。
「大変=やめたほうがいい」ではなく、
「大変=できたときの楽しさが大きい!」
と考えてみてください。
TDIの基準に沿ったトレーニングを受ければ、誰でもかっこよく、
快適に、サイドマウントダイビングを楽しめるようになります!
テスト
Q. サイドマウントダイビングで、特に重要とされる姿勢はどれでしょう?
- 直立姿勢
- 水平トリム
- 斜め45度のスーパーマンポーズ
【答え】→ 2. 水平トリム
いかがでしたか?
もう既に皆さんは安全・快適なサイドマウントダイバーの第一歩を踏み出しました!どんなことでも最初は大変と思うこともあります。しかし、工夫をすることで
大変と思っていたことも実は大変ではなくなる魔法を我々サイドマウントダイバーは知っています。新たな一歩を踏み出しましょう!