サイドマウントの器材構成とセッティング手順

(2025.5.6)

今回はセッティング全般についてお話します。各論については、後日ゆっくり取り上げていきますのでお楽しみに。

かっこいいサイドマウントダイバーを目指そう!

サイドマウントは、ただ横にシリンダーをつければいいわけではありません。
器材一つ一つが「水中でのバランス」に直結するため、正確なセッティングが安全性と快適性を左右します!
特にTDIの基準では、自立して装備をセッティングできることが求められます。
「よく分からないから、インストラクターに全部やってもらった」だと、かっこいいサイドマウントダイバーとしてはいまいちです。自分で自信を持って装備をセットアップできる、そんなダイバーを目指しましょう!

理解しましょう!

  • サイドマウントの主要器材を理解する
  • なぜその器材構成が必要なのか説明できる
  • 自分で基本的なセッティングができる
  • トラブルを未然に防ぐ意識を持つ

アウトライン

  1. サイドマウントに必要な器材リスト
  2. 各器材のポイントと選び方
  3. セッティング手順の流れ
  4. よくあるミスとその対策
  5. TDIの基準で意識すべきチェック項目
  6. まとめ

1. サイドマウントに必要な器材リスト

サイドマウント専用で揃えるべき主要装備はこちらです。

  • サイドマウントハーネス(BCD)
     → 体にフィットし、シリンダーを左右に吊るせる構造。
  • 2本のシリンダー
     → アルミ or スチール。サイズや浮力特性に合わせて選びます。
  • 2セットのレギュレーター
     → ファーストステージ×2、セカンドステージ×2、ゲージ×2が必要。
  • ホースアレンジ
     → 左右のルーティングを考えたセッティングが重要。
  • シリンダークリップとバンジーコード
     → シリンダーを体に沿わせるために使います。
  • ダブルエンドスナップ
     → シリンダーやアクセサリーの取り付けに必須。
  • カッティングデバイス
     → 万一に備え、常に手が届く場所に!
  • 適切なウェイトシステム
     → ハーネス内蔵型、または外付けウェイトポケット。

2. 各器材のポイントと選び方

  • ハーネス
     → 体にピタッとフィットして、ずれにくいもの。不要なパッドや浮力材が 少ないものが理想。 X-deepやRAZORがお勧めです。
     → 今後の受講予定コースでも感がるポイントがあります。
  • シリンダー
     → レジャーならアルミ80cf(11L)が主流。
     → テクニカルでは環境に応じてスチールも選択。
  • レギュレーター
     → 低圧ホース長を左右で最適化。左用は短め(約60〜65cm)、
     →右用はロングホース(約210cm)を使用するのがTDI推奨スタイル。
  • ゲージ
     → コンパクトタイプをシリンダー下部にまとめるとスッキリします。
     → 信頼できるダイブコンピュータとセットのトランスミッターを
    付けるというのもお勧め。

3. セッティング手順の流れ

Step 1:ハーネス装着調整
→ ハーネスを着て、ショルダー・ウエスト・バンジーの長さを微調整します。
→ フィット感を最優先!ブカブカは絶対ダメ。

Step 2:シリンダー準備
→ シリンダーにレギュレーターをセットし、ホースをきれいにルーティング。
→ バルブオープンチェック、ガスプレッシャーチェックも忘れずに。

Step 3:シリンダークリップ取り付け
→ シリンダーの首元と下部にスナップフックを装着。
→ 体に沿わせたときに自然な位置にくるようセッティング。

Step 4:バンジーセット
→ 上側(バルブ側)をバンジーでしっかり体に固定。
→ 水中でブラブラしないように密着させる。

Step 5:浮力調整と最終確認
→ 器材を全部付けたら、姿勢チェック。
→ シリンダーが上がりすぎ・下がりすぎていないか確認。

4. よくあるミスとその対策

ミス例対策
シリンダーがブラブラしているバンジーの長さを再調整しよう
レギュホースが絡まる事前のホースルーティングをしっかり確認
浮力が取れないウェイトの位置と量を見直そう
ロングホースが出ないホース収納方法(ネックバンド等)を工夫しよう

5. TDI基準で意識すべきチェック項目

  • シリンダーは体に密着しているか?
  • すべての器材に手が届くか?
  • ロングホース展開はスムーズか?
  • ガスバランス(左右均等)は意識しているか?
  • エマージェンシー手順を即実施できるか?

見た目がカッコイイだけ」では意味がありません。
機能してこそサイドマウント!これがTDIスタイルです。

まとめ

サイドマウントダイビングは、自由さと快適さの裏に、「緻密なセッティング」と「確かな自己管理」が求められます。
最初は器材の多さに圧倒されるかもしれませんが、一つずつクリアしていけば、サイドマウントダイビングはあなたにとって「最高の相棒」になります!
器材を愛し、セッティングを極めた先に、
自在に水中を舞うサイドマウントダイバーの姿が待っています!

確認

✅ サイドマウントに必要な器材を言える

✅ セッティングの基本手順を説明できる

✅ よくあるミスとその対策を覚えた

✅ 「ちょっと器材セッティング練習したいな」と思った!

テスト

Q. サイドマウントのレギュレーターセットアップで、右側に装備するホースはどのくらいの長さが推奨される?

  1. 約60cm
  2. 約100cm
  3. 約210cm

【答え】→ 3. 約210cm(ロングホース)

いかがでしたか?
私もコンフィグレーションには苦労しました。(別のコラムでお話ししましたが、最初から正しく学ぶことは重要です。)
このコンフィグレーションを丹念に行うことで、水中で本当にびっくりするほど楽になります。逆にちょっとおかしいなと思うときは、コンフィグレーションがどこか必ずずれているものです。
TDIのインストラクターは必ずコンフィグレーションに力を注いでくれます。
具体的にどのように調整するかご興味をお持ち頂けたら、是非お近くのコース開催店にお問い合わせください。