(2025.6.17)

トレーニング概要

  • トレーニング内容:Wreck Training
  • 日程:2025年6月7日 ~ 13日
  • 参加者:1名
  • トレーナー:石井 隆 Instructor
  • 宿泊先:Mango Valley Hotel 1
  • ポイント:・El Capitan
          (USS Majaba)
         ・USS New York
          (ACR-2)

スービックについて

スービック(Subic)は、フィリピン中部ルソン地域・サンバレス州オロンガポ市に位置する湾です。
昨今、フィリピンの治安が話題になることもありますが、スービックは経済特別区として比較的安全が確保されています。

施設や食事のクオリティも高く、初めての方でも安心して過ごせる環境が整っています。

1日目:移動日

今回はクラーク国際空港を利用。
以前はマニラ空港から約3時間以上かけて移動していましたが、今回は1時間以内でホテルに到着できました。

クラークへは成田からセブパシフィック航空(LCC)が便利。午前出発・午後到着で、費用を抑えたい方にもおすすめです。

宿泊先はダイブセンター併設の「Mango Valley Hotel」。
部屋からダイブセンターまで徒歩1分という近さで、忘れ物をしてもすぐに戻れるのが魅力です。朝食付きで、昼食用のランチボックスも提供されます。

夕食は、前回のアドバンスドレック講習でも訪れた「Texas Joe’s House of Ribs」へ。
…今回も想像以上の肉量に圧倒されました。

2日目:El Capitan

今回はCCR(KISS Sidewinder)、つまりリブリーザーでの潜水です。
レック内のような閉鎖環境では、シルト対策として非常に有効です。

加えて、減圧を含むガス管理でもオープンサーキットに比べて多くのメリットがあり、今回はデコシリンダーの運用も視野に入れて、CCRを選択しました。

El Capitanは全長130m/約3,000トンの貨物船で、最大水深は20m。開口部も広く、トレーニングに最適なレックです。

1・2本目では、インストラクターが引いたラインを回収した後、自分でラインを引く練習を行いました。

ケーブとレックには共通点もありますが、たとえばタイ(ライン固定)方法の違いなど、明確な差もあります。
ケーブではチームメンバーにも見えるよう体を横にスライドしてタイしますが、レックではそれができない狭所が多く、体を動かさずにタイする必要があるため、慣れるのに苦労しました。

フィンワークも重要で、ケーブと同様にモディファイドキックが求められます。
「少しの動きで、少しずつ動く」…分かってはいても、実践は難しい。広めのEl Capitanで助かりました。

3日目:USS New York

USS New Yorkは、全長約120m/水深30m前後の巡洋艦で、スービックで最も人気のある沈船ポイントです。

昨日のEl Capitanと比較すると格段に難易度が上がり、狭い通路やアップダウンの連続、シルトの厚さにも注意が必要です。

私のCCRは主にドライスーツで浮力調整をしていますが、アップダウンのある環境では、その調整がより繊細になります。

実はこれまでオープンサーキットで潜る際、極力ドライスーツへの給気を避け、BCDで浮力調整をしてきました。
スクイーズ気味のほうが快適と感じていたため、ドライスーツの給気に対しては苦手意識がありました。

それが今回、ドライスーツのガス管理の未熟さとして露呈。
浮力調整がうまくいかない → 体がこわばる → バランスが崩れる → 呼吸が浅くなる → 酸素管理が乱れる…という悪循環に陥ってしまいました。

レックでは気軽にリセットできない…と思い込みがちですが、実際には一旦停止し、調整をやり直す選択肢もあったのです。
それに気づけなかったことが、今回最大の反省点です。

4日目:再び USS New York

この日も引き続きUSS New Yorkへ。
雨は降っていましたが、風もなく潜水には支障ありませんでした。

昨日の課題に対し、自分なりの対策を講じて挑戦。
まだ体が動いたり、タイの姿勢が乱れることもありましたが、改善の兆しが見えたことで、希望のある1本になりました。

…翌日までは。

5日目 ~ 6日目:ハリケーンによる中止

いよいよ仕上げの2日間、気合も十分。
ネガティブ・ポジティブチェックを済ませ、ドライスーツを装着、いざ出発!

……しかし、ボートキャプテンが渋い顔をして一言。
「…Closed」

ハリケーン接近のため、コーストガードが湾全体の終日クローズを宣言。
翌日も悪化が予想され、今回のトレーニングはここで終了となりました。

まとめ

天候や海況は、自然の成すこと。仕方のない部分ではあります。
年末年始のスービックで誓った「レックをもっと上手くなる」という目標には、まだ到達していません。

しかし、それはまた次に挑戦できる機会があるということでもあります。
次回は雨季を避けた日程で訪れるかもしれませんが、納得できるダイビングができるようになるまで、スービックの沈船にはお世話になるつもりです。

今回トレーニングしてくださった石井さん、地元ガイドのダンテさん、ご指導ありがとうございました。
近いうちに、ぜひ続きをお願いいたします!

追記: 人見神社のお守り、ありがとうございました!