(2025.5.18)

サイドマウントは「自由そう」に見えます。背中に重たいものを背負わず、両脇に軽やかに装着されたシリンダー。
でもその裏にあるのは、「全てを自分で管理する」という高度な自己責任です。
「楽に見える=楽ではない」――それがサイドマウントというスタイルの本質なのです。
目的
このコラムでは、サイドマウントが持つ「自由と責任」の関係性について理解を深めます。
表面的な魅力の奥にある、自立したダイバーとしての在り方を考えるきっかけを提供します。
アウトライン
- 自由そうに見えて、実は「選ばれし者の装備」
- なぜ自己完結が求められるのか
- バディと潜るからこそ、自分で守る
1. 自由そうに見えて、実は「選ばれし者の装備」
「楽そうだからサイドマウントにしてみたい」という声、よく聞きます。
たしかに、陸では装着も軽快で、背中もすっきり。かっこよく見える。
でも水中では、逆です。
左右のシリンダーバランス、ホースルーティング、緊急時の操作性……
全ての判断と操作を自分で完結しなければならない。
つまり、「サイドマウントを使う=自立したダイバーであること」が前提となるのです。
2. なぜ自己完結が求められるのか
サイドマウントの特徴は、自分の視界内に装備がすべて収まるということ。
それは裏を返せば、「自分しか触れない場所に、全ての責任がある」ということでもあります。
- シリンダーのON/OFF → 自分
- バルブ操作 → 自分
- レギュ交換 → 自分
「自分でなんとかする」しか選択肢がない。
その潔さが、自由であると同時に、最大の厳しさでもあるのです。
3. バディと潜るからこそ、自分で守る
意外なようでいて、サイドマウントは**「バディを助けるためのスタイル」**でもあります。
自分が完全に整っていなければ、誰も助けられない。
だからこそ、自分の装備と状態を常に把握し続ける必要がある。
自由=ひとりよがりではありません。
真の自由とは、誰かを支えられる力を持つことでもあるのです。
まとめ
サイドマウントは、自由を装った「真面目なスタイル」です。
自分で潜り、自分で守り、自分で成長していくダイビング。
それは装備の話ではなく、自分というダイバーの質の話なのです。
確認
✅ 自分の装備、すべて把握できていますか?
✅ 緊急時、頼られる側に立てますか?
✅ 「自由であること」は、簡単じゃないと知っていますか?
次の一歩
もし、あなたが次の一歩を考えているなら、TDIの「サイドマウントダイバーコース」へ。
装備の自由ではなく、思考の自由を手に入れてみませんか?