(2025.5.16)

水中での装備重量の感覚は、地上とは大きく異なります。適切な浮力調整は快適な潜水のカギであり、誤解すると水中トラブルに直結するリスクもあります。
目的
- 浮力とは何かを理解する
- 水中での重量感覚を正しく捉える
- 浮力コントロールの意義を再認識する
アウトライン
- 地上と水中の重さの違い
- アルキメデスの原理とは?
- シリンダーやウェイトの感覚が変わる理由(シリンダーの話をしよう)
- 実践的な浮力調整のヒント
1. 地上と水中の「重さの感覚」
地上で10kgのシリンダーを持ち上げるのは一苦労。でも、これを水中に持って入ると、「あれ?軽い!」と思ったことはありませんか?これは水の浮力によって、身体が支えるべき実重量が軽減されているからです。
2. 浮力の正体は“押しのけた水”
「アルキメデスの原理」では、水中で物体は“自分の体積分の水の重さ”と同じ力で押し上げられるとされます。これが浮力。だから、物体の密度が水よりも小さければ浮き、大きければ沈むのです。
3. シリンダーの話をしよう
スチール製のシリンダーは、アルミよりも重くて沈みやすい。しかし水中では、空気が抜けるごとに「浮きやすくなる」。これは中の空気が減ってシリンダー全体の浮力が上がるためです。つまり、水中での“感じる重さ”は常に変動しているのです。
4. 正確な浮力調整が必要な理由
「なんとなくフィンピボットできたしOK」はもう卒業。正しい浮力調整は、中性浮力だけでなく、エアの消費量、疲労度、そして環境保護(サンゴを蹴らない!)にも大きく貢献します。
写真に載せたリブリーザーでは、1kgのウェイト差で天国と地獄の分かれ道になるといっても過言ではありません。体の上部か下部か左右のどちらかによってその解が分かれます。
そこまではいかなくても、ウェイトベルトにつけているウェイトの配分、本当にそれでいいですか?

まとめ
水中では、重さの感覚が変わるのが当たり前。それを理解して、うまく活用できれば、快適で安定したダイビングが実現できます。
次のステップ
プールで1kgごとに浮力調整練習をしてみよう。「1kgの違い」がどう影響するか、実感できますよ!