(2025.5.28)
これまでもSDIのサイトにおける事故報告や事故分析を積極的に確認することで自身の周りで起こり得る事故や潜んでいる危険をできる限り認識し、対応することを心掛けてきました。プロになってからまだ数年と、ダイビングにおける危機意識をより一層深めていかないといけないと自覚している私にとってはこのような講習会は最新の情報を取り入れるためにとても大切なものです。
今回は所用もあり、大阪まで足を延ばして受講してきました。いつもはZOOMなどで済ませてしまうこともあるのですが、まだ一度もお会いできていない尊敬する方が講師をされると伺い直接参加することに決めました。
その方とは、三保仁先生です。元々、耳鼻咽喉科の医師としてご活躍されていましたが、今はメキシコに移り新しいセノーテの開拓をされています。
TDIのテキストには三保先生が翻訳されているテキストがたくさんあります。ほかにも様々な執筆がありますが、とても丁寧でわかりやすく、解釈の部分でつまずくことが少なくて、いつかお会いして直接お話を聞いてみたいと思っていたので今回の講習は申込期間前からずっとワクワクしていました。
以下は、各講話の概要です。ただし、講話の中で私が書き起こし他の者ですので、数字や解釈に違いがある場合もあるかもしれません。ご了承ください。
〇 野沢 徹 先生(水中科学研究所 代表)
ダイビング事故について
・ 事故の3割が死亡事故
・ 10年間総数425 死亡行方不明140件(32.9%)
・ 近年は事故件数は減っているが、死亡割合は45%前後まで上がっている
・ 死亡事故の26%が不詳となっている
・ 性別は男性6割女性4割くらい(少しずつ平衡化しているが男性が未だ高い)事故率は半々
・ 50代が1番多い 40歳以上が事故の7割
・ 10年以上のベテランダイバーの事故率が高い
・ 5−6年の経験者は事故率が低いが、それ以上ベテランになると事故率が高くなる
・ 深場よりも5m以内の深度で起こりやすい
・ IPE(浸漬性肺水腫)も話題となっている(事故率は4%)
・ 溺水は暴れたりしない。静かに早く沈んでいく。これは昔と感覚が違ってきている
・ IPEの原因 高血圧・呼吸しにくいレギ ・高齢・女性(8倍なりやすい)
・ 肺を陰圧にしない(立位で急激に潜水したりしない)
〇 三保 仁 先生(元三保耳鼻咽喉科 院長)
外傷性内耳障害についてわかりやすく解説してもらいました。
私も耳抜きには苦労したことも多々あり、講義に聞き入ってしまいました。
とくにサイナスについては別のコラムでも紹介したいと思います。
今回は書きなぐりのようなスタイルになってしまいましたが、新たな発見やこれまで疑問に思っていた事をさらに追及していただける内容も含まれており、終始興味深く受講させてもらいました。
しかしまだまだ勉強不足で知識をかみ砕く時間が必要です。
カテゴリー別にまとめて改めてご紹介いたします。